著:森下伸也 /光文社新書
この本は逆説について述べた本。著者の森下氏が「日本笑い学会理事」という肩書きを持っているのに興味を持ち、読んでみた。
色々と逆説の考え方について述べられている中で、面白い話を見つけた。
フランスの作家メーストルの旅についてなのだが、なんと彼は「自分の寝室」までの旅を記録し、それを一冊の本『わが部屋をめぐる旅』という本にまとめたというのだ。
人が日常から非日常へ脱出し、日々の倦怠を癒すという行為はよく耳にする。しかし、日常の“中”に非日常を見出すという発想は非常に面白いと思った。まさに逆説である。
ということで、下記は僕の日常の中の非日常・・・・。
タイトル
「わが闘争」
2月16日、ついにこの日が来たものだ。長い長い旅に出る時が来たのだ。A.M.7:00。暖かく私を包み込んでくれる「フトン」という名の癒し空間から這い出し、私は「スーツ」という名の戦闘服に袖を通す。
目的地は三越前駅。私は我が道を阻む多くの障害を乗り越え、私の到着をまだかまだかと待つ人々の元へ一心不乱に向かう。
A.M.8:30。私は三越前までの行き方を「電車」という鉄のレールを走る車に決めた。「電車」は鋼の表情を持った鉄の車の総称。その表情には部族の違いを象徴するように様々な隈取りがなされている。私は電車を迎え入れる「駅」に「乗車券」という鉄道の乗車許可書を手に入れるために向かった。目の前には許可書無きものを容赦なく阻止する無情の機械。その許可書を手に入れるには多くの試練が必要になると聞くが、「カネ」を渡せばほんの10秒で手にいれることができる。いつの世も最後にものをいうは「カネ」なのか・・・。私は「トウキュウ」という部族の「トウヨコセン」に夢と欲望の町「シブヤ」まで連れて行ってもらうよう契約を交わした。
A.M.8:40。契約を終わらせ、「電車」が来るのを待つ私の前に、なんと「トウヨコセン」の中でも最速を誇る「特別弓光」が姿表す。まさか彼が姿を現すとは・・・。彼の気性は荒々しい。豪快な速度を見せつつもその気性から多くの駅で「トウヨコセン」を待つ契約者を無視してしまうため、部族の長から走行回数を制限されていると聞く。私はなんとも頼もしい電車をよこしたものだと「トウキュウ」に感心した。
しかし、その中の様子を見ると私は目を疑った。中には「ヒト」で構成された海が広がっており、その海の色はひどく濁っている。多くのヒトは、世の終わりを感じるような顔をし、壁際に設けられた「ザセキ」に心を寄せている。「ザセキ」に座るヒトはまるで「電車」に溶け込むかのように、同じような鋼の表情をしながら一様に目を閉じている。
私はその海に飛び込む。私を飲み込もうと向かい来るヒト波の中で、私という異分子を同じ物質に変えようと向かい来るヒト波の中で、私は必死に自分を保つ。「私は鋼の顔にはならない。」。特別弓光は颯爽と飛ばす。私は頑なにその場所にしがみつく。
A.M.9:00。夢と欲望の町「シブヤ」に到着した。私は「特別弓光」に吐き出されるように外に出る。鋼の表情をしたまま流れを作って進むヒトの中で、私は自分の小ささを自覚しながら、だけど自分であることに誇りを持ちながら、次の「電車」と契約するために進んでいく・・・。
いや~、書いてて途中でよく分かんなくなっちゃった。だけど頑張った!こうしてみると日々の生活もちょっと違う角度から見るだけでだいぶ変わるものだ。日々の暮らしには無数の喜びが隠れていると言ったところか。
・・・それにしても楽しかったかな?これ笑